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EUSO-TAはアメリカ、ユタ州、Black Rock Mesaにあるテレスコープアレイ実験(TA)の大気蛍光望遠鏡の前に設置された地上望遠鏡です [文献1]。 望遠鏡は専用の小屋の中に2013年に設置され翌年にアップグレードされました。EUSO-TAはEUSO用に開発された望遠鏡の技術実証を行うと共に宇宙線やレーザー光などの人工光源をTA大気蛍光望遠鏡と同時観測することで観測性能を検証するために用いられます。EUSO-TA望遠鏡は2枚の1 m2 フレネルレンズを用い、視野11O × 11Oを達成しています。 集光された光は計2304画素の単光子計数を行う光検出モジュール(Photo-Detector Module, PDM)で検出されます。光検出モジュールはK-EUSOの焦点面に用いられるものと全く同じものです。検出器の1光子レベルの電気的ノイズは非常に低く、 点像分布関数(Point Spread Function, PSF)は設計通りの大きさになっています。2015年に東京大学宇宙線研究所の協力の元、初めての宇宙線候補イベント、流星、レーザー光の観測を行いました。2016年9月にはEUSO-SPB気球実験用望遠鏡の試験と較正を行いました。現在自動観測に向けてアップグレードを進めており、さらに宇宙線観測例数を増やすため観測を継続する予定です。

Telescope Array Fluorescence detector, Utah
アメリカユタ州にあるテレスコープアレイ実験の大気蛍光望遠鏡の前で観測を行うEUSO-SPB望遠鏡(左)とEUSO-TA望遠鏡(右)。
Left: an average of ∼ 250 shots of the CLF laser. Right: An UHECR event of ∼ 1018 eV energy at ∼ 2.5 km distance.
左: CLFレーザー250ショットの平均イメージ。レーザー光は5フレームをかけて視野を下から上へ通過する。 右: 2.5km先に落ちた約1018 eVの超高エネルギー宇宙線イベント候補。 EUSO-TA望遠鏡では2.5マイクロ秒の1フレームとして記録された。色は検出された光子数を表している。
参考文献
  1. Adams, J. H., et al. Ground-based tests of JEM-EUSO components at the Telescope Array site, “EUSO-TA”. Experimental Astronomy, 40:301-314, November 2015. doi: 10.1007/s10686-015-9441-6.